湖に浮く黄色い粉は「ウランの放射性物質」? 元動画の投稿者は「花粉」【ファクトチェック】

湖に浮く黄色い粉は「ウランの放射性物質」? 元動画の投稿者は「花粉」【ファクトチェック】

湖に浮いた黄色い粉を撮影した動画について「ウランの放射線物質」と主張する投稿が拡散しましたが誤りです。黄色い粉はシラカバ花粉で、放射性物質ではありません。元の動画を投稿したユーザーも「この黄色はシラカバ花粉」と説明しており、放射性物質を疑って撮影したものではありませんでした。

検証対象

拡散した投稿

2026年5月25日、黄色い粉のようなものが岸に流れ着いている動画に「普通に化学総研に持って行き、成分を調べれば1発ですね。ウランの放射線物質なら直ぐに分かります」と書いた投稿が拡散した。

検証する理由

5月29日現在、この投稿は700件以上リポストされ、表示回数は31万回を超える。投稿について「放射能汚染に対する備えも必要になるかもしれません」というコメントの一方で「ウランの比重は水より重いから違うと思う」という指摘もある。

黄色い粉を巡る投稿はほかにも「黄色い粉の正体は放射性物質のようです☢️⚠️謎の風邪とも関連があるかもしれません🏥🏴‍☠️」「福岡に降り注いだ『謎の黄色い粉』花粉でもなく黄砂でもない。そしてその後の『謎の風邪』」という投稿が拡散している(例1例2)。

検証過程

元動画を投稿したアカウントは「花粉」

拡散した投稿は、他のユーザーが投稿した動画を引用し、「ウランの放射線物質とすぐ分かる」という文言を添えて投稿したものだった。

元動画を投稿したユーザーは「この黄色はシラカバ花粉」と説明している。リプライ欄でも自身で「この時期はシラカバだけでなく、マツ花粉もかなり混ざっているようです。あとここは阿寒湖です」と補足している。 

阿寒湖は北海道釧路市にある淡水湖だ。拡散した動画の3秒部分に映っている山の形が阿寒湖から見える「雄阿寒岳」の形と一致している。

拡散した投稿では「放射線物質」という表現が使われているが、放射線を出す物質は「放射性物質」と呼ぶ(東京都.”放射線、放射能、放射性物質”)。

また、「化学総研に持って行き」とあるが、そのような組織は存在しない。

黄色い粉は福岡でも話題に

黄色い粉を巡る別の言説は、福岡でも広く拡散した。2026年5月、福岡市内で車や洗濯物に付着する黄色い粉についてSNSへの投稿が相次ぎ、「謎の粉」として話題になった。

テレビ西日本やFNNプライムオンラインは、この黄色い粉の正体が「マツ花粉」であり、2026年は過去5年で最も多く飛散しているなどと報じている(テレビ西日本”SNS投稿相次ぐ“車に付着する黄色い粉” 正体は「マツ花粉」 過去5年で最も多く飛散 5月下旬にかけて落ち着く見込み 福岡”、FNNプライムオンライン.”黄砂?空気中の汚れ? 車に付着する謎の“黄色い粉” SNS投稿相次ぐ 気象台は「黄砂は確認されず」 その正体とは… 【福岡発】”)。

2011年の原発事故でも拡散

花粉を放射性物質ではないかと疑う事例は、繰り返し拡散している。

2011年3月、東日本大震災にともなう東京電力福島第一原発の事故で、大量の放射性物質が拡散した。その後、首都圏で建物の屋上などに付着した黄色い粉が放射性物質ではないかと、保健所や消防への問い合わせが相次いだ。環境省が顕微鏡で調べた結果、花粉だった(朝日新聞.”屋上に黄色い粉、まさか…問い合わせ続々 正体は花粉 - 東日本大震災”)。

判定

黄色い粉を「ウランの放射性物質」だと主張する投稿が拡散したが、元動画の投稿者は「シラカバ花粉」だと説明している。よって、誤りと判定した。

出典・参考

東京都.”放射線、放射能、放射性物質”.https://www.kankyo1.metro.tokyo.lg.jp/archive/policy_others/radiation/about/houshaseibushitsu.html  ,(閲覧日2026年5月29日)

テレビ西日本”SNS投稿相次ぐ“車に付着する黄色い粉” 正体は「マツ花粉」 過去5年で最も多く飛散 5月下旬にかけて落ち着く見込み 福岡”.https://news.tnc.co.jp/news/articles/NID2026051530366  ,(閲覧日2026年5月29日)

FNNプライムオンライン.”黄砂?空気中の汚れ? 車に付着する謎の“黄色い粉” SNS投稿相次ぐ 気象台は「黄砂は確認されず」 その正体とは… 【福岡発】”.https://www.fnn.jp/articles/-/1047862  ,(閲覧日2026年5月29日)

朝日新聞.”asahi.com(朝日新聞社):屋上に黄色い粉、まさか…問い合わせ続々 正体は花粉 - 東日本大震災”.https://www.asahi.com/special/10005/TKY201103240244.html  ,(閲覧日2026年5月29日)

検証:木山竣策
編集:古田大輔、藤森かもめ


判定基準などはJFCファクトチェック指針をご参照ください。

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